新年明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、つつがなく、新しい年をお迎えのことと、お慶び申し上げます。
昨年は、3月11日の大地震と原発事故という、かつて経験したことのない大きな災害に見舞われました。幸いなことにわが社および当市場には被害はなかったものの、被災地の出荷者や取引先は甚大な被害に遭われ、多くの尊い命が失われました。お亡くなりになられた方々へ深く哀悼の意を表するとともに、被災された皆さんへ心よりお見舞いを申し上げる次第です。
我々青果業界にとってもその影響は大きなものでした。震災直後の道路の寸断や燃油不足による物流機能の低下に始まり、自粛ムードや消費マインドの冷え込みによる需要不振、放射性物質の拡散による農産物への風評被害、節電のための保冷施設の使用制限など厳しい事業環境が続きました。しかしながら、仲卸や買参人などの買い手の皆様のご努力とご協力もあり、取扱数量は前年を1ポイント上回る7万9千トンとなり、卸売市場としての供給責任をなんとか果たすことができました。需要の弱さから単価的にはマイナス6ポイント、取扱金額はマイナス4ポイントと振るいませんでしたが、卸売数量を伸ばせたことは当青森市中央卸売市場が一致団結した大きな成果だと思っています。改めて、関係各位の皆様に深く感謝申し上げる次第です。
震災後にはいろいろなことがありましたが、心に残っていることがひとつあります。それは震災直後の中央卸売市場の全国協会の総会で、農林水産省の流通課長が述べた言葉です。「地震の直後に、物流網が寸断されたり、物流拠点が被災したことで、スーパーでは食料品や生活必需品の品薄や品切れが続出した。しかし、野菜と果物の青果物だけはどこの店に行ってもきちんと売り場にあり、供給が途切れることはなかった。国産青果物の80%が卸売市場を経由して流通しており、今回の大地震のような危機的な状況においても、卸売市場が生鮮食料品の基幹的流通機構として十分対応できたことの証であり、社会インフラとしての卸売市場の重要性を再認識した」というものです。われわれは、どんな困難な状況でも、市民に食料を供給するという強い使命感をもって、仕事をしてきました。その点が、評価されたということは、業界に身を置くものとして、大変うれしく思い、あらためて我々の仕事の重要性を感じた次第です。
今年は市場開設40周年という大きな節目の年となります。秋には記念式典、記念の食育祭りの開催が予定されています。この記念すべき年に、次の10年、さらにはその先を見据えて、当市場が青森市民にとってなくてはならないものとして、さらなる発展できるよう、皆様と心を一つに、力を合わせて頑張ってまいりたいと思います。
今年は辰年です。上り龍のように皆様の商売がグングン伸びていくことを願い、また本日ご参集の皆様の今年1年のご健康とご多幸を祈念いたしまして、年頭にあたってのご挨拶といたします。今年もよろしくお願い申し上げます。
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